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味噌仕立てのだご汁：熊本市河内

【雲の上のだんご汁家】

38年振りの５月の台風上陸。

八幡浜～臼杵のフェリーはそれはもう揺れました。
客室で寝ている体がひっくり返るのだからその揺れのすごさは相当なもんだった。すっかり船酔いしてしまい、アイアンストマックの異名をとる僕の胃がその日は特に身体にやさしい食事を欲していたような気がする。
熊本に着いて地元のタウン誌（タンクマと地元の人は言っていた）をペラペラめくっていると古い民家で味噌仕立てのだご汁を出すお店が紹介されていた。「雲の上のだんご汁家」。

この店のある河内町は熊本市内から車で30～40分ぐらいの北西部に位置する海苔とみかんで有名な地域だった。ゆっくり海岸沿いの道をいくと、目印の聖ヶ塔病院から山のほうに上がっていく。有明海が一望出来るその場所は、絶景！だったはず。
あいにくの曇り空でその絶景は、おあずけ。
お店の人に尋ねると晴れた日の昼間は、有明海の向こうに雲仙が見えるそうだ。また夕方近くになると感動もんの夕日が拝めるらしい。（残念･･･）

趣のある入り口を潜り抜けるとバリアフリーの店内からみかん畑と有明海が飛び込んでくる。雲の上とは、うまく付けたもんだと感心する。店内は、どこかなつかしい昭和の民家調。開け放した窓から心地よい風が店内を通り、この季節でもクーラーの必要ない。

目当ての「海鮮だんご汁」1,000円を注文し、暫しそこからの眺めに浸る。
（だご汁の説明）
だご汁（だんご汁）は元々熊本や大分の家庭料理で僕も何度か食べていますが、だご汁に入っているのは、小麦粉の団子です。家々で中の具材は違うようですが、ボウルで練って、ちぎって放り込みます。醤油だしで、具には大根、ゴボウ、里芋、唐芋、ニンジン、白菜などが入っているのが一番ポピュラーのようです。

待つこと10分。
待望の海鮮だんご汁の登場。今まで味噌仕立てのだんご汁は食べたことが無かったので興味津々で中を覗き込む。大根やゴボウ、ニンジンも入っているが、この海鮮だんご汁は、あさりやシャク（シャコのこと）も入っている。
特に魚介類の出汁がええ感じでいつものだんご汁よりもパンチが効いている。（ようわからん表現ですが）ごはんに合うのは間違いない。
定食は、自家製のゴマ豆腐（これがまたいけてます）、焼魚、酢の物、茄子とあさりの和え物、ふきわかめ、コーヒーゼリー。
ごはんは少々硬めでしたが、そんなことは、今回全く気にならなかった。
後でおばちゃんも正直にごはんが硬かったことを自己申告していました。可愛らしい。

食後にこの地域の特産みかんの皮を使った、かりんとうをいただく。
少し、苦味があって「大人のかりんとう」と勝手に命名する。
お土産に一袋200円で売ってます。

すっかり船酔いの気持ち悪さを癒され、昼寝でもして帰りたい、そんな「雲の上」でした。

※僕は15時頃に行きましたが、他のお客さんは誰も居らず本当にゆっくり出来ました。店のおばちゃんに聞くと日曜日のお昼は最近大変混むらしく、ゆっくりしたい方は、平日のこのぐらいの時間が本当に昼寝をして帰ってもよいそうです。昼の休憩時間が無いので少し遅めのランチにもいいでしょう。めちゃくちゃ混むほど商売をしたいという気持ちはないそうで、ほとんど趣味の世界なんだとか。

食堂メモ

店名	雲の上のだんご汁家
住所	熊本市河内町船津758-2
休み	毎週月曜日
TEL	096-276-3168
営業時間	AM11：00～PM08：00